【ピオリア(米アリゾナ州)12日(日本時間13日)=本間翼、木下大輔】日本ハム大谷翔平投手(21)とレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(29)のツーショットが実現した。メジャーのキャンプインに備えるダルビッシュが、古巣のキャンプを訪問。大谷らは前夜にダルビッシュの家にも招待された。オフには何度か合同トレーニングも行っている大谷にとって、米国キャンプならではの貴重な経験となった。

 コンタクトは一瞬だった。帽子を取ってあいさつに向かう大谷に、ダルビッシュは「おう」とだけ返し、すぐに距離を取った。公の場で初のツーショット。「カメラもいっぱいいますし…」。大谷は先輩の気持ちを察したが、実は濃密な時間は前夜に過ごしていた。

 在籍時のチームメートでもある中田、杉谷のほか、上沢、白村、西川、鍵谷、有原らとともにダルビッシュの家に招かれた。敷地内にあるバスケットボールコートで一緒に汗を流し、杉谷がプールに落とされるなど和やかな雰囲気だったという。同居する交際中の山本聖子の手料理も振る舞われたが、ダルビッシュは鳥の胸肉とスープにしか口をつけなかったという。大谷は「いろいろ話しました。(内容は)言わないですけど」と多くは語らなかったが、ストイックな食事制限なども目の当たりにする機会になった。

 ダルビッシュと5分ほど立ち話をした栗山監督は、「よく顔を出してくれた。(選手には)刺激になる」と、来訪を喜んだ。対面自体は「監督になってから初めてかも」というが、シーズン中には、大谷が登板中に足をつった際に、ダルビッシュから再発防止につながるようなサプリメントを紹介するメールが届くなど、実はこまめに連絡をもらっている。

 米アリゾナキャンプだからこそ実現した2人の共演。ダルビッシュは1時間半ほど滞在し、コメントすることなく施設を後にした。大谷は「スキルを教わったわけじゃない」とは言いながらも、ダルビッシュからの話が「(自身のトレーニングに)生きていると思います。どういう感じで進めていった方がいいとか」と感謝した。今日13日(日本時間14日)の韓国NC戦、14日(同15日)の紅白戦に野手出場し、数々の経験を胸に日本へと戻る。