復活を確信させる1球があった。楽天釜田佳直投手(22)が18日、韓国KIAとの練習試合に5回から登板。2死一塁で、ギアが入った。2安打されて1失点している状況。2球でカウント0-2とあっさり追い込むと、こん身の力を込めた。外角高め、この日最速となる148キロの直球。空振り三振に仕留めた。1回2安打1失点2奪三振。「一番の収穫は最後のボール。文句のないボールだった」と手応えを口にした。

 不安を一掃した。14年3月の右肘トミー・ジョン手術から、復活を期する年。今キャンプは「本当に不安がない。ブルペンで投げた後も変な張りが出ない」と投げるたびに状態が上向きになるのを確信。リハビリ段階だった昨年と比べ、「2年はかかると言われましたけど、その通りでした。今は楽しんでいます」と充実感にあふれる。

 指揮官も目を見張った。直球に強いとされる韓国の打者が明らかに振り遅れた。「十分使える球がいっていた。差し込んでいる。懐に入り込んでいる印象。釜田は先発かな。ボールはさすがだった」と絶賛した。開幕投手として公言している則本、塩見、美馬、辛島に次いで、5番目の先発ローテとして大きな前進を遂げた。

 高卒のプロ入り5年目。大卒の新人とは同期だ。「僕らにはプロで4年やってきた意地がある。絶対に負けるわけにはいかない」と気迫が漂う。これから登板のイニング数は伸びていく。「オープン戦の時期に結果を出さないと。考えて、調整します」。経験という武器を手に、ローテを勝ち取る。【島根純】