阪神マット・ヘイグ内野手(30=ブルージェイズ)が、“金本監督認定のマルチ安打”で指揮官を一安心させた。左脇腹を痛めて離脱していた助っ人が6番三塁で1軍復帰。3打数無安打だったが、指揮官は「(飛球)2本とも内容はヒットと同じと判断している。2安打!」と、金本裁きで合格点を与えた。

 甲子園デビュー戦にもなった2回の第1打席で、西武野上の真っすぐをジャストミート。低空ライナーは左翼正面に飛んでしまった。5回の空振り三振を経て、7回の第3打席は藤原のスライダーを捉え、これまたライナー性の中堅飛球。「来た球をしっかりたたけたよ」と胸を張ったヘイグに、金本監督も「ヘイグは良かったね。柔らかいね」と目尻を下げた。沖縄・宜野座キャンプ中盤の2月12日に痛みを発症。マートンの代役を期待される助っ人が約1カ月戦列を離れ、三塁は誰が守るのかと不安の声が上がっていた。まじめな性格で、鳴尾浜でもコツコツ鍛錬とリハビリ。開幕を逆算して懸命に間に合わせてきた。

 三塁が確約されたわけではないが、金本監督は「トラブルがない限りそのつもり」とスタメン継続を明言。今日9日は2軍教育リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に出場するなど実戦漬けになる。スタンドで初観戦した新婚のエリカ夫人からもラブ注入。ヘイグは初めてプレーした甲子園の雰囲気を「ファンの声援が素晴らしかった。トロントでもファンの後押しがあってプレーオフに進めたんだよ」。昨季ア・リーグ優勝決定戦のメンバーに入り、熱いブルージェイズファンと歓喜した瞬間になぞらえた。【松井清員】