「越後のドクターK」が、日米7球団13人のスカウトをうならせた。

 今秋ドラフト候補で最速147キロ左腕の新潟医療福祉大・笠原祥太郎投手(4年=新津)が、白鴎大戦に先発し5回6安打2失点。この日最速145キロの直球と切れ味抜群のカットボールを武器に、毎回の6三振をすべて空振りで奪った。

 創部4年目での優勝の可能性を残したエースは「調子は良くなかったけど、狙って三振が取れた」と汗を拭った。

 地元新潟の無名公立校出身の177センチ左腕に、各球団の編成トップが視察に訪れた。昨秋は73奪三振でリーグ新記録を樹立し、今季も41イニングで59奪三振。楽天長島スカウト部長は「腕の振りが速く、変化球もいい。阪神岩貞のようになれる可能性がある」。西武鈴木球団本部長は「常時140キロ台を出せる左腕は貴重。今後も見させてもらうよ」と高く評価した。

 「1期生」として1年秋から登板し、3年で3部から1部に押し上げた。今カードは栃木・小山市まで約4時間かけて移動。リーグ戦全試合でビジネスホテルに宿泊する。かつて女子野球日本代表候補に入った姉千鶴さんを持つ笠原は「プロを目標に頑張る。勝つしかないので、明日(8日)も投げる気満々です」と力強かった。【鹿野雄太】

 ◆笠原祥太郎(かさはら・しょうたろう)1995年(平7)3月17日、新潟市生まれ。結小2年から荻川少年スポーツクラブで野球を始める。新津二中では軟式野球部に所属。新津高では1年秋からベンチ入り。最高成績は県大会2回戦。新潟医療福祉大では1年秋からリーグ戦登板。左投げ左打ち。177センチ、85キロ。憧れの選手は西武菊池。家族は両親と姉、妹、弟。