ノリノリだった。逆転打をねぎらわれたロッテ細谷圭内野手(28)は、2試合連続のヒーローとなり「サンキュー!」と声を張り上げた。「野球選手であり、エンターテイナーでありたい。面白いヤツと思われたら」と、決めぜりふの意図を照れくさそうに明かした。今季3度目の4連勝&今季最多の貯金8に貢献した。

 打席では、冷静だった。17試合ぶりスタメンで1番を任されたが、西武佐藤に2打席凡退。ともに変化球を打たされての三ゴロだった。三たび向かった0-1の5回2死二、三塁では「同じやられ方だったので、何とか逆方向の意識で」と言い聞かせた。初球カーブが高く来た。コンパクトに打ち返し、右前に逆転の2点適時打を放った。

 開幕2カード目からスタメンに座り、打ちまくった。打率を4割3分台まで上げ、一時は首位打者。プロ11年目で打撃開花…のはずが、調子を崩した。再びベンチを温める日々。それでも「代打、代走、守備固め。いろんなケースを考えて練習した。上がっていくしかない」と腐らなかった。

 心に決めたことがある。開幕前、マルチなバイプレーヤーは言った。「ようやく気がつきました。2軍で結果を出しても1軍で代走じゃ、周りは『ダメだ』と見るかもしれない。でも、チームの勝ちが一番。すねても仕方ないんですよ」。気持ちが定まったから復調できた。15日楽天戦では代打逆転満塁弾。伊東監督は「またどんどん打ってほしい」。首位ソフトバンクとは2ゲーム差。細谷も、チームも、再び上昇カーブを描いている。【古川真弥】