ロッテ石川は自己最多の13勝目を挙げたにもかかわらず、ぶぜんとした表情だった。「全然、良くないです。点を取ってくれたので楽に投げられましたが、調子も良くなかったです」。疲れが抜けきらず、直球がシュート回転しながら横滑りする内容が気に入らなかった。

 緩急をうまく使い7回2失点。13勝はソフトバンク和田に次いでリーグ2位。防御率2・26は同千賀を抑えて1位だ。タイトル争いでも最前線にいるが「いいボールいってないんで…。最多勝はたぶん無理っすね。防御率も千賀がいるんで厳しい」と、消極的な発言を繰り返した。

 だが、ここまでチームをけん引してきたのは事実。調子の悪さを自覚しながらも抑えた内容は伊東監督から「テンポが良かった。前回登板から、少しずつ良くなってきている」と評価された。表情を緩めることなく「とりあえず、ゲームを作れるように、これからも頑張ります」と謙虚な右腕。下克上日本一に向けて、自分自身が納得できる復活が待たれる。