新潟医療福祉大が作新学院大に6-4で逆転勝ちし、1勝1敗の振り出しに戻した。2-4で迎えた7回2死満塁で、羽石裕紀(4年=作新学院)が起死回生の左翼への逆転満塁本塁打。きょう11日の第3戦につなげた。勝ち点奪取へ、第3戦はドラフト候補左腕の笠原祥太郎(4年=新津)ら、投手陣を総動員する構えだ。

 高く舞い上がった打球は、左翼観客席に飛び込んだ。2-4の7回2死満塁。この日初打席の羽石が、チームを救った。カウント1-1からのスライダーを強振して、逆転満塁本塁打を放った。「感触は良かったけれど、上がり過ぎた。ぎりぎりに入ったのは、応援のおかげ」。殊勲者は笑顔だった。

 7回表に中堅手の守備で途中出場した羽石が、あっという間に勝利の立役者になった。佐藤和也監督(60)が打った布石が実を結んだ。4番・大藪将也(1年=上田西)との途中交代だ。「4番打者を代えるのはギャンブルだったけれど、ここは4年生の力を借りるしかない」。創部4年目。1期生の奮起を信じた。

 しかも、羽石は作新学院出身。「相手の(大塚孝)監督も(細井将一)コーチも、作新学院の高校OB。恩師です」と言う。そんな“恩返し弾”以後、ゲームの流れは味方に傾いた。8回1死二、三塁のピンチを三直の併殺で切り抜けるなど、勝負の潮目を一気に変えた。

 1勝1敗のタイに戻してきょう11日の第3戦に臨む。「シビレる試合」(佐藤監督)に勝って、流れにそのまま乗りながら挑む。佐藤監督は「(投手陣は)笠原を含めた総力戦」と言う。「4年生がやるだけです」と羽石も、総力戦に加わる決意を固めていた。【涌井幹雄】