最下位ロッテの貧打が終わらない。西武の継投に6安打1点に抑えられ、12年以来となる8連敗を喫した。借金は、とうとう11年以来の20に達した。チーム打率は、いまだ2割に届かない。これで球団ワーストタイの18試合連続1ケタ安打。1958年以来59年ぶりという歴史的な深刻さだ。球団は18日、WBCキューバ代表のロエル・サントス外野手(29)と契約合意したことを発表したが、主軸タイプではなく、的確な補強となるか…。

 伊東監督の語気は弱々しかった。8連敗に「もう笑いしか出なくなった…」と自虐的だった。前日に続き、9回にパラデスがソロを放ち完封負けを逃れるのがやっと。球団59年ぶりの18試合連続1ケタ安打となってしまった。

 打席数は少ないが、唯一打率3割台の根元を今季初めて1番に置いた。初回、その根元が中前打。伊志嶺が四球で続く。狙い的中で好機が広がったが、3番鈴木は二ゴロ併殺。4番ダフィーが空振り三振で先制を逃すと、直後の2回に佐々木がつかまった。序盤で失点を重ね、じわじわリードを広げられると、もう打線にはね返す力はなかった。

 最大の敗因は、軸の不在に尽きる。今季39試合目で37通り目の打順だったが、4番だけで6人を使った。本来は巧打タイプの鈴木を置いたこともある。結局、デスパイネの穴を埋められないまま。フロントはパラデス、ダフィーを補強したが、開幕直後は極度の不振で2人とも1度、2軍落ち。狙いは外れた。

 今、一番必要なのは、サントスではない。関係者の話を総合すると、WBCの時にキューバ側から売り込みがあり、ようやく合意に至ったのが実情だ。確かに1番打者も補強ポイントだが、伊東監督は「軸がしっかりするのが条件だった」。その条件が満たされていないから「(サントスは)絶対に必要という感じではない」と本音が漏れた。