優勝をかけた一戦で大商大が京産大に先勝し、リーグ制覇へ王手をかけた。

 大商大は2回に一挙5得点を奪い、試合を終始有利に進める。先発の尾田恭平投手(3年=智弁学園)は1失点で完投し、4勝目を挙げた。

 今季先発6試合目での初完投に「今日の朝から(富山監督に)『完投しろ』と言われていた。コントロールを意識しながらうまくいったと思います」と振り返った。富山陽一監督(52)も「尾田は今日は良かった」とたたえた。

 昨春の第7節も、優勝をかけた京産大との戦いだった。1勝し王手をかけながら連敗、プレーオフに敗れて優勝を逃した。尾田は3戦目に6回から登板し、京産大に決勝の1点を許した。「自分のせいで負けてしまった。強い気持ちを持っている」と懸ける思いは強かった。

 前節から空いた2週間の間は、京産大の試合のビデオを見ながら分析をしっかり行った。左打者が並ぶ京産大を想定して、投球練習では左打者を立たせた。

 「今日のためにやってきた」と昨春のリベンジを果たし、チームも優勝へ向けて大きな1勝を手に入れた。【磯綾乃】