フェースガードを外した阪神鳥谷が6回1死二、三塁の好機に代打で登場した。「バッター鳥谷」がコールされると、甲子園は大歓声に包まれた。右サイドハンドの加賀からフルカウントまで粘り、6球目の直球を見送って判定はボール。四球を選んで満塁とした。今季四球は26個目。糸井と並ぶチーム最多となった。

 24日の巨人戦で顔面に死球を受けて「鼻骨骨折」と診断された。そこからの2試合は、黒のフェースガードを装着して試合に臨んできたが、この日は試合前練習からマスクを外していた。「あまり締めつけると痛いので、今は外しているだけです。試合は(フェースガードを)つけるかもしれません」と慎重だった。それでも、普段通りに内野ノックを受け、フリー打撃では快音を響かせた。試合後は「痛みがなかったから外しました。見え方は元々、問題なかったです」と、あっさりと語った。

 この日の四球が顔面死球後では初の出塁で、走者として一塁に残った。さらに続く糸井の一失で、三塁まで進塁。患部の良化をうかがわせた。今日28日のDeNA戦を終えると、30日からは交流戦に突入。チームトップの打率2割9分3厘を誇る「不死鳥」の存在は欠かせない。【真柴健】