プロ志望を表明した高校通算111本塁打の早実・清宮幸太郎内野手(3年)の父克幸氏(50)が24日、息子の決断について初めて胸中を明かした。ラグビートップリーグのヤマハ発動機監督の同氏は、大分市の大分銀行ドームで行われたキヤノン戦後、詰めかけた大勢の報道陣に応対した。

 進路決定に関し「自分のチームの選手たちと同じように息子に接した。どういうことをした方がいいとか、こういう情報があるとか、父親というよりスポーツの指導者としての関わり方でした」と明かした。清宮がプロ行きを決断したのは12日にU18W杯から帰国してから。「ギリギリまで結論を出さないことが、家族の中の同意事項でした」。夫人と3人で議事録を残した。念入りな2度目の家族会議で長男が出した結論に「いいんじゃないか」と応えたという。「本人の気持ちが一番大事。何をしたい、こういうことがしたいということに関しては本人の意思を尊重することを教育方針として、やってきました」と後押しした。

 ソフトバンク王球団会長の868本塁打を目標とすることに「早実なんでね。学校の門を入る前から王さんの碑がある学校ですから。そういう夢を持つのは当然と言えば当然」とうなずいた。メジャー挑戦の目標にも触れ「生でヤンキースタジアムに立っているからじゃないですか。そこが大きいと思う。そびえ立つスタンドがどこまでも続き、景色がロマンチックじゃないですか」と目尻を下げた。

 今後プロのスカウト陣と面談する可能性があるが、同席について「タイミングが合えば」と話した。阪神ファンとされるが、同球団の1位指名公表を問われると「他の質問は?」と、はぐらかした。【菊川光一】