5月にオリックスの監督を辞任したテリー・コリンズ氏(59)が来年3月のWBCで中国代表監督を務めることが10日、決まった。中国側から就任要請を受け、快諾した。近く正式発表される。日本代表にとって中国は第1ラウンド初戦でぶつかる相手。同氏はオリックスでは成果を上げられなかったが、日本の情報をよく知るだけに不気味な存在になるかもしれない。

 日本で苦しい2シーズンを送ったコリンズ氏が、今度は敵となってジャパンに立ちはだかる。北京五輪後に代表監督を退任したジム・ラフィーバー氏(元ロッテ監督)の後任として、WBCで中国代表の指揮を執ることが決まった。

 ウインターミーティングが開かれている米ラスベガスで同氏は「きょう受諾の連絡をした。数日以内に正式に決まるだろう。中国代表はドジャースの育成担当時代に、キャンプ地で見たことがある。オリックスでの経験が役立つだろう。とてもエキサイティングなこと」と自信を示した。

 監督としてメジャー444勝、日本でも経験を積んだベテラン監督にとって、新たな挑戦になる。前任のラフィーバー氏は旧知の仲で情報収集は問題ない。日本ではチームの掌握に失敗した格好だが、そんな苦い経験も同じアジア人相手に生きるはず。1月に中国を訪問する予定という。

 ホットな日本情報も持っていることも大きな武器。「ダルビッシュ、岩隈など日本の投手のことはよく分かっている。(監督の)原さんとは友達だし、いい戦いをしたいね」。敵として戦ってきた選手は当然、頭にインプット済みだ。

 WBC第1ラウンドの開幕戦で対戦する日本にとっては、やりにくい相手になるかもしれない。オリックスの監督に就任した昨年は最下位、今年も開幕からチームを低迷させ「メジャー監督」の名声が地に落ちた同氏に、挽回(ばんかい)のチャンスが早くも巡ってきた。