<中日5-6巨人>◇19日◇ナゴヤドーム

 首位巨人が負けない。接戦にも強い。オレ竜に3試合連続逆転勝ちで、同一カード3連勝だ。5-5の5回2死三塁、坂本勇人内野手(20)が勝ち越し左前適時打を放つなど、3安打と躍動した。開幕から5カードで9勝3敗2分というロケットスタートで、早くも独走ムードが漂い始めた。ナゴヤドームでの3連勝は日本一となった02年以来7年ぶりで、リーグ3連覇&日本一奪回への吉兆か!?

 坂本が成長した証しだった。5-5で迎えた5回2死三塁の第3打席。ネルソンと対峙(たいじ)する。「(前の打席で)低めの変化球を振らされていたので、同じミスはしないようにと考えていました」。フルカウントから、外に落ちるフォークを拾うように、左前に運んだ。3回は同じフォークにバットが空を切った。ナゴヤドームの竜党に悲鳴を上げさせた。

 「恐怖の8番」に成長した。3点先制直後の1回2死一、二塁では山井の初球を左前打。猛攻の流れを切らさず、きっちり4点目を加えた。7回にも二塁打を放ち、3安打で、打率はチームトップの3割4分まではね上がった。「周りの人が打ってくれるので、気楽に打てます」と謙遜(けんそん)したが、他球団にとっては侮れない存在になりつつある。

 経験が成長させた。昨季は高卒2年目の野手としては、史上3人目となる全試合スタメン出場。「1年間の経験が生きています。自分で考えてできている。試合までの流れなど、余裕を持ってできている」と実感する。この日は午前9時半に宿舎を出発。中日の練習が始まった10時には、グラウンドで体を動かしていた。希望者によるアーリーワーク。ビジターチームの打撃練習は12時からだったが、「こっちの方が僕はやりやすいです」とマイペースを崩さない。遠征先であっても、試合に入るリズムはホーム時と同じだった。

 成長しても、慢心はない。「去年は5月、6月にバテたので、体調管理をしっかりしたい」と気を緩めることはない。昨季は4月終了時に2割8分4厘だった打率が、6月終了時には2割3分2厘まで降下。苦い思い出を決して忘れていない。今季目標は「打率3割、20本塁打」。レベルアップを目指し、オフには打撃フォーム改造や増量に励んだ。スイングも力強さを増した。2月の宮崎キャンプに15本のバットを持ち込んだが、キャンプ終盤までにすべて折ってしまった。メーカーの生産が追い付かず、3月のオープン戦は同じ型を使う高橋由から譲り受けたほど。メーカー担当者は「強くたたこうという意識の証しだと思います」と舌を巻いた。

 成長した「若侍」坂本のバットに乗って、同一カード3連勝。この日は3年目の松本を「1番中堅」に据え、14試合で10通り目のオーダーを組んだ。その松本が死球で出塁し、盗塁、そして先制のホームを踏んだ。臨機応変なタクトが、またもズバリはまった原監督は「(3連勝は)数字的には、いい数字。でも、反省するところもある」と、あくまで気を抜かない。頂点を目指し、着実に歩を進めていく。【古川真弥】

 [2009年4月20日9時1分

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