<ロッテ0-18西武>◇15日◇千葉マリン

 マウンドより、ベンチ前のキャッチボールで肩を温めた球数の方が多かったかもしれない。18点の大量援護を受けた西武涌井秀章投手(22)は「4回の5点で十分だったけど、8点とってもらった時(7回)は、リズムが狂いそうになりましたね」。長い攻撃時間に待たされても、集中力は切らさなかった。2年ぶりの完封で、チームに今季初の4連勝をもたらした。借金を返済し「いい流れを止めなくて良かった」とホッと一息ついた。

 表情もペースも崩さず、4安打で投げきった。2回に1死三塁とされたが、大松をフォークで三振。里崎には鋭い144キロシュートでバットをへし折り、投ゴロに仕留めてリズムに乗った。「早打ちや打ち損じに助けられた。四球がいつもより多くて(4つ)良くなかったけど、低めに集められた」。120球目、最後の打者竹原には145キロで空振り三振。余力も十分だった。

 今季4勝目を挙げ、うちロッテに3勝。対戦防御率1・13と抜群の相性を誇るが、昨年は防御率6・17で「嫌な打線」という苦手意識は今も根強く残る。それでも負けたくない理由があった。昨年のレギュラーシーズン最終登板で3年連続2ケタ勝利を挙げたが、内容は5回で10安打5失点と最悪だった。9得点した打線の援護に救われ「10勝がかかっていなかったら降板させていた」(渡辺監督)という屈辱を味わった。

 エースの意地をかけ、今年は相手につけいるスキも与えない。4月24日に毎回の全員奪三振という史上初の記録を達成したのもロッテ戦だった。成績不振に苦しんだ昨年の流れを変えようと、七分袖だったアンダーシャツを、2年前に最多勝を獲得した時と同じ長袖に近いタイプにした。「うちは交流戦が苦手といわれているので頑張ります」。大量点でもしっかりとゲームを引き締めたエースの存在感が際立った。【柴田猛夫】

 [2009年5月16日8時1分

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