<阪神5-7巨人>◇10日◇甲子園
巨人が延長12回の総力戦の末、阪神を7-5で振り切った。阿部慎之助捕手(30)が、決勝タイムリーで決め、貯金は今季最多タイの「21」になった。巨人は今季初の延長戦勝利。坂本勇人内野手(20)は、3安打を放ち両リーグ最速の100安打に達した。打率3割3分4厘で首位打者にも返り咲いた。75試合で100安打を超え、年間200安打も夢ではない。
巨人坂本が両リーグ最速の100安打を放った。2回の第2打席で左前打を放ってリーチをかけると、6回の左中間を破る適時二塁打で大台に乗せた。昨季は8月27日の横浜戦で到達したが、今季は1カ月半も早く、わずか75試合での達成だった。さらに延長11回表にも左前打を放って3安打猛打賞。7戦ぶりのマルチ安打で、打率3割3分4厘で首位打者にも返り咲いた。
飛躍を続ける20歳。転機となったのは、WBC日本代表との壮行試合だった。代表選手から技を盗む絶好の機会。坂本は練習中の青木にソッと近づいた。「青木さん、どうやったら打てるようになれますか?」。向上心の高い男は真っすぐ言葉をぶつけた。
青木
軸足に思い切り力を入れて、上半身はリラックスして打ってみたらどうかな。オレの場合はそうしてるよ。
尊敬する先輩打者の言葉を実践。3月のオープン戦で打撃センスが一気に開眼した。「これだって思いましたね。すごくいい感じで振れるようになりました」。吸収力の高さも、この男の武器だ。
開幕から好調をキープした。一時は4割を超える高打率をマーク。年間200安打ペースを超えた時期もあった。首位打者へも上り詰めた。それでも新聞の打撃30傑を見るたびに「今だけですよ」と素っ気なかったが、記録のプレッシャーとの闘いが始まっていた。
交流戦が明け、リーグ再開。疲れと重圧が若武者の体を襲っていた。名古屋遠征の帰路、先輩の山口にそっとつぶやいた。「もう(首位打者を取られるのも)時間の問題ですね。井端さんはレベルが違う。でも何とかしないと」。重圧の中でも闘志は燃え盛っていた。延長戦の死闘を終えた後「これからも勝利に貢献できるように頑張ります」と元気よくバスに乗り込んだ。背番号6の背中が一層大きく見えた。【久保賢吾】
[2009年7月11日8時18分
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