敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児らの奮闘に迫ります。
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今大会初のタイブレークに持ち込み、意地は見せたが、甲子園初勝利はならなかった。それでも八王子実践・塚原翔太投手(3年)は涙を流さなかった。「背番号10」をつける奥山慎太郎投手(3年)と切磋琢磨(せっさたくま)し、互いを高め合う間柄。西東京大会では、全48イニング中47イニングを二人で消化し、二枚看板として初出場の原動力となった。この日はエースの塚原が最後まで投げ抜いた。「過去一番くらいの投球でした」と自分の役割を果たした。
1点を追う9回の攻撃前には塚原が円陣の中心に。「焦ることなく自分たちの野球をやっていこう」。エースの言葉に野手陣が奮起し、土壇場で追いついた。
奥山は登板こそなかったが塚原を激励し続けた。試合後は塚原に「ナイスピッチ。あんま気にするな」と声をかけ「このチームは背番号1をつけている以上、塚原がエース。今日は最高のピッチングでした」と盟友をたたえた。
甲子園に足跡を残した八王子実践。塚原は「甲子園は選ばれた高校しか立てない場所なので、本当に貴重な経験ができました」と汗をぬぐった。その表情は「いい顔」で満ちあふれていた。【田島優大】

