<阪神2-1横浜>◇13日◇甲子園

 阪神が5月15日以来の3位に浮上した。後半戦スタート時に3位ヤクルトとは13・5ゲーム差もあったが、1カ月半でクライマックスシリーズ(CS)圏内に突入した。チームに勢いをもたらしたのは、負傷した赤星に代わり1番に抜てきされたルーキー野原祐也(24)だ。1回に果敢なヘッドスライディングで二塁打、5回にも中前打を放つなど2安打で強烈アピール。残り20試合、まだまだ続くサバイバル戦に頼もしい若手が現れた。

 上りつめた晴れ舞台で、阪神野原祐が快音を響かせた。プロ入り初スタメンの第1打席。カウント2-2から小林の142キロの直球を強振。スライスがかかりながらセンター方向に飛んだ打球が金城の前に落ちると、2軍でも4盗塁を記録している俊足をかっ飛ばし一気に二塁へ。早くも定番となったヘッドスライディングでベースに飛び込むと、泥だらけになったルーキーにマンモスが揺れた。「追い込まれてから、当たってくれてよかった」と、サプライズ抜てきに必死にこたえた。

 勝てば3位浮上の試合で、抹消された赤星の代役に抜てきされた。「昨日ヒットを打って乗っている。(練習でも)良い当たりをしていたし、思い切りがある。他の打順は考えなかった」という真弓監督の大胆起用にこたえてみせた。だが、本人はそんなことは関係ない。「(試合に)出られることだけで良かった」と全力プレーをするのみだった。

 左手の黒いグラブには「36」の番号が刺しゅうされていた。高浜からの借り物だった。2軍でともにしのぎを削ったチームメートの汗が染みこんだグラブを手にし、甲子園の外野を守った。7月26日に育成枠から支配下選手に登録。背番号も123から94に変わり、そのタイミングで用具一式を新調した。だがグラブだけは製造が1軍昇格に間に合わなかった。7月には「まだ阪神のユニホームを着ているだけだから」と心境を漏らした。いわば“契約社員”だったが、予想より早い1軍デビューだった。

 5回の3打席目にも、外角高めのチェンジアップに詰まりながら中前に落とした。これには真弓監督も「勢いがあるから、当たりが悪くてもヒットになる」と目尻を下げた。がむしゃらルーキーの勢いが、激しいCS争いを演じるチームに与える影響は軽くない。

 チームはついにヤクルトをかわし、5月15日以来の単独3位に浮上。指揮官も「ここまできたら、順位じゃなく1戦1戦取っていく。9連戦が大事になる」と力を込めた。ペナントレースの大詰めで、ラッキーボーイが出現した。阪神の大逆転ストーリーを加速させる。【鎌田真一郎】

 [2009年9月14日8時35分

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