<ヤクルト2-3広島>◇6日◇神宮

 天谷のハッスルで連敗脱出!!

 広島が長いトンネルから抜けた。3番に復帰した天谷宗一郎外野手(26)が攻守で大暴れし、白星をたぐり寄せた。美技あり、決勝適時打あり、8回には自らの失策でヒヤヒヤさせるおまけつき。開幕から3番を張ったが、不振のため、4日の巨人戦(マツダ)はスタメン落ち。気持ちをリセットして臨んだ1戦でチームの連敗を「7」でストップ、3月26日の開幕中日戦(ナゴヤドーム)以来の勝利に導いた。

 赤ヘル軍団を連敗地獄から救ったのは天谷の発するアドレナリンだ。気合、闘志、覚悟…。ビッグプレーがナインのハートに火をつけた。4回1死二塁。ガイエルの放った低空ライナーが右中間を襲う。「抜けたっ!」。誰もがそう感じた弾道を、背番号49は無我夢中で追う。ダイビングキャッチでグラブへ。間一髪で勝ち越しを許さなかった。

 天谷

 緊張した…。打てなくても、投手を助けたいと思っていて。抜けたらとか考えている余裕はなかった。とにかく必死でした。

 停滞ムードを一変させる動きだった。オープン戦で両リーグ最多21安打を放ち、3割9分6厘の高打率を残した。開幕から3番を任されたが主軸に座る責任感が災いして空回り。打率1割台に低迷し、4日の巨人戦(マツダ)はスタメン落ちした。重圧を取っ払ったのは内田打撃統括コーチのひと言だ。「お前が打てなくて、どうこうなるチームじゃない」。気分一新して臨んだスタメン復帰戦。天谷も「あれで楽になりました。いい意味でもっと本能でやればいい」と話す。2回にも川本の打球を横っ跳びで捕るなど野性的なプレーで青木高をもり立てた。

 バットでも勝負する。今年2月の沖縄春季キャンプ序盤。打撃ケージ内で意識したのは打球方向だ。右方向への弾道が多いことに気づいて方針転換。外角球を逆方向に打つ練習を繰り返した。「引っ張った打球だけでは打率を残す上で限界がある。やっぱり広角に打ちたいですから」。オープン戦では左への打球が増えた。ここでさらに修正し、引っ張りも意識。広角打法を徹底的に磨きぬいた。

 同点で迎えた5回2死二塁で中沢の外角速球を左前へ。福地のファンブルを誘い、勝ち越し点を奪った。同点にされた直後の8回はセンター返しで決勝適時打をマーク。広角に打ち分けて、オフに築き上げた打撃技術を正念場で発揮した。攻守で活躍し、チームの連敗も「7」で止めた。それでも、表情を引き締める。

 天谷

 危機感は常に持っていますが、いつも以上の危機感だった。明日が大事になってくる。どんな形でもいいから勝たないと!

 3月26日の開幕・中日戦(ナゴヤドーム)以来の今季2勝目だ。野村カープがようやくギアをセカンドに入れた。【酒井俊作】

 [2010年4月7日11時33分

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