<横浜1-3広島>◇3日◇横浜
広島がバリエーションに富んだ大技小技を駆使。横浜に競り勝ち同率4位に浮上した。1回に梵英心内野手(29)が4号先制ソロ本塁打を放てば、2回には1死三塁で赤松真人外野手(27)がスクイズを敢行し、チームとして今季初めて成功させた。序盤の2得点で先発前田健を援護。この日は野村謙二郎監督(43)の実弟である昭彦さん一家が試合観戦に訪れており、うれしい勝利を収めた。
鮮やかな攻撃で、試合の主導権を握った。1点リードした2回1死三塁。打席には赤松が入る。野村監督が勝負師の勘を働かせた。サインはスクイズ。無警戒の横浜バッテリーをあざ笑い、先発ランドルフの真ん中変化球を難なく転がす。素早くスタートを切った三走の広瀬が生還し、貴重な追加点をもぎ取った。
野村監督
マエケン(前田健)が投げるとき、なかなか点を取れない。もう1点取っておけばマエケンも楽になる。何としても取りたい1点。赤松もうまく決めてくれたし、今日の試合のなかでいい1点だった。
安定感抜群の前田健が先発マウンドに上がっていただけに、序盤に効果的な2点を刻んだ。指揮官にとって意地を見せたい一戦だった。この日の試合前、都内に住む実弟の昭彦さん一家が三塁側ベンチで激励。ファミリーが戦況を見つめるなかで、タクトはさえわたった。
野村監督は目を細める。「子ども2人も野球を好きだから、良かったんじゃないかな」。昭彦さんはかつて、母校・駒大野球部でコーチを務めた経験もある。同校でプレーした梵も言う。「僕のときのコーチでした」。試合前には、打撃用手袋を恩師の2人の息子にプレゼント。1回には先制弾も披露して見せた。
野村監督にとって、昭彦さんとともに白球を追った故郷の大分・佐伯市は野球人生の「原点」だ。今年1月。同市内の城山に足を運んだ。「自分の道を新しく発見してね。ここの道は自分が作った道。原点といっても過言ではない」。少年時代に何度も駆け抜けた小道に立ち、新監督としての決意を固めた。
チームはこの日も接戦を制し、2連勝。横浜と並んで4位タイに浮上した。指揮官が目指す、接戦を制する野球を2日連続で体現した。野村監督は言う。「マエケンには、まだまだ借りがあるからね。ロースコアだったけど、いい展開だった」。伝統のカープらしい細かい野球が、少しずつ出てきた。【酒井俊作】
[2010年5月4日10時41分
紙面から]ソーシャルブックマーク



