<中日1-0ヤクルト>◇8日◇ナゴヤドーム
またサヨナラだ!
キング弾だ!
中日和田一浩外野手(37)が2日連続のサヨナラ勝ちをもたらした。0-0で迎えた9回2死、チームがわずか1安打に抑えられていたヤクルト先発の新人中沢から、リーグ単独トップに躍り出る12号ソロを放った。前夜の谷繁に続くベテランの活躍で、劇的に連勝を決めたオレ竜は2位阪神との差を1・5ゲーム差に縮めた。
まさに千両役者だ。0-0で迎えた9回2死無走者、和田が打席に立った。マウンドには1安打ピッチングのヤクルト先発中沢。1発で決めてほしい-。一塁側ベンチ、そしてファンの願いをひと振りで現実にした。初球だ。137キロの直球を振り抜くと打球はバックスクリーンへ一直線。リーグ単独トップに躍り出る12号サヨナラ弾で2日連続の歓喜をもたらした。
「それまでの打席は相手の術中にはまって、ボールを追いかけていた。あそこは相手の一番速い球に合わせて待っていた。自分のポイントで打てた」。
最後はプロ14年の経験値が敵の新人左腕に勝った。劇弾の感触を手に、三塁をまわると本塁付近で待ち構える仲間たちが見えた。和田はベース手前で雄たけびをあげ、ド派手なガッツポーズ。普段は感情を表に出さない男が喜びを爆発させながら本塁を踏んだ。
2安打でのサヨナラ勝ち。劇的な2連勝を飾った落合監督は殊勲者・和田を独特の言い回しでたたえた。
「あそこで1発で決めたベン(和田)はすばらしい。ただ、オレが反対の立場の監督だったら(中沢を?
ベンチを?)蹴り上げているぜ。いいじゃん、四球で。次(の打者は)だれ?
まあ、ストライク取りにいったわけじゃないと思うけどな。勝たせてもらったということでしょう」。
本塁打のみならず、打率、打点も含めて3冠王を射程にとらえる和田は、それほど危険な打者だというオレ流の表現だった。
試合後、派手なパフォーマンスについて聞かれた和田は照れくさそうに言った。「最近は思うように打てなくてストレスがたまっていた。あんなことをするつもりはなかったんですけど、調子に乗ってやってしまいました」。実は別の理由もあった。この日の夜、4月19日に都内の病院で生まれた三男が家族とともに名古屋に戻ってきた。出産準備に入って約1カ月の「1人暮らし」の間は同僚に紹介してもらった名古屋市内の飲食店で多くの品数を食べて体調を維持していた。ただ、やはり夫人の手料理と家族との時間に勝るものはない。愛するファミリーにこれ以上ない手みやげだった。【鈴木忠平】
[2010年5月9日11時6分
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