<オリックス2-9ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンク和田毅投手(29)は大量援護に守られ、リーグ単独トップの12勝目を挙げた。前回10日ロッテ戦で144球を投げた疲労もあって本調子を欠き、直球は137キロが最速だったが、6回を6安打1失点に粘った。同僚の杉内と西武涌井を突き放し、再びハーラーダービーで1歩リードした。

 マウンドで和田が首をかしげる。いつもと違う-。のしかかるような疲労感が背番号21を包んでいた。「少し体が重く感じた」。直球は最速でも137キロ。本調子にほど遠くても、負けるわけにはいかない。真価の問われる逆境で、歯を食いしばった。

 いきなり正念場が訪れた。5点のリードをもらった直後の2回裏だ。本来のキレを欠く球を先頭のT-岡田とセギノールにとらえられ、連続二塁打であっさり1点を失った。続くバルディリスにも四球を与えて無死一、二塁。せっかく奪った試合の主導権を手放しかねないピンチを迎えた。

 和田

 ブルペンでも(球が)いってなかったし、試合でも140キロも出ない。疲労もあったと思う。粘りながら、打ち損じを誘っていった。

 我慢強く、今季の生命線となっている低めへの投球を徹底した。日高はスライダーで遊飛、山崎浩は直球で見逃し三振、浜中はスライダーで二ゴロ。いずれもコースぎりぎりのローボールで仕留めた。6回6安打1失点は、細心の注意を払った結果だった。

 疲労感の原因は1週間前にあった。「前回投げすぎたので…」。10日のロッテ戦では成瀬と投げ合い、互いに9回までゼロを並べた。延長戦に入って両者とも降板。「根比べで、投げていて楽しかった」と振り返ったが、極限状態で投げた144球の反動は、中6日では抜け切らなかった。ただ、残ったのは疲れだけではなかった。

 熱投から一夜明けた翌11日の夜、携帯電話が鳴った。画面に出た着信相手の名は「成瀬善久」。電話越しに互いの健闘をたたえ合い、次なる闘志がわいた。ロッテのエース左腕にも反動が出たのか、この日の西武戦で9失点を喫して敗れた。だが、和田は勝った。リーグ単独トップに立つ12勝目だ。「チームのおかげでここまで勝てている。後半戦も辛抱強い投球をしたい。1勝の重みも大きくなるんで」。不調でも負けない。だからこそ、並み居るエースたちの頂点に君臨している。

 [2010年7月18日11時54分

 紙面から]ソーシャルブックマーク