<阪神6-2ヤクルト>◇30日◇甲子園
阪神新井貴浩内野手(34)が、4月最後の試合で、甲子園1号をたたき込んだ。ヤクルト戦3点リードの3回先頭。増渕の甘い変化球を、左翼スタンドに突き刺した。阪神のクリーンアップでは、今季本拠地初アーチ。連勝のチームは、4月7勝7敗1分けの勝率5割、3位が確定した。これが4番の仕事ってことですね。
その1発がゲームを支配した。新井がヤクルトの土手っ腹に、強烈なボディーブローをたたき込んだ。3点リードの3回。増渕のスライダーをすくい上げた。どちらが次の1点を取るかで流れが動く場面。点差を4に広げる2号ソロに、今季最多4万6893人で埋まった甲子園が揺れた。
新井
ボールも見えてたし、自分のスイングをすることだけを考えていた。しっかり反応できたし打った瞬間、入ると思いました。
自画自賛のアーチはクリーンアップの甲子園今季1号だった。開幕から9試合、本拠ではマートン以外に1発が出なかった。低調な打線を活気づけるためにも、主軸の1発がほしいところだった。広い球場、右から左に強く吹く浜風。そして飛ばない統一球。より1発の出にくくなった甲子園では、風に乗せてこう打つんだという、お手本のような左翼への放物線だった。
久保
チャンスで新井さんに回せば、これからもずっと打ち続けてくれると思う。
勝ちを呼ぶ2点適時打で上がった前夜のお立ち台。4学年下の久保に感謝半分、イジられた。「オレにプレッシャーかけて楽しいかな」。思わず苦笑いしたが、一夜明けたこの日も少々納得がいかないようで…。
新井
普通、先輩が後輩をイジるものでしょう?
それにもともと(広島時代)はイジる方だったんですからね。でもムードがよくなるならそれでいいですけど。
金本が定着させたイジられキャラ。タイガースの4番だが、チームのためならやる。試合になれば豪快アーチを描く男のこのギャップが、みんなから愛される理由だ。
7回の守り。榎田が先頭飯原にヒットされ、続く青木への初球がボールになるとマウンドに駆け寄った。
新井
思い切って行け!
ミットだけを見て。結果は気にしなくていいから!
超満員の甲子園。初めて勝利の方程式に組み込まれたルーキーの重圧を思い、肩を抱いた。榎田の無失点投球は、新井の仲間を思う優しさと無関係ではないだろう。
真弓監督
(最近の試合では)追加点が取れないことが多かったけど、(あの本塁打で)弾みがついた。
指揮官の評価も高かった。9連勝で乗り込んできたヤクルトを連日の4番の活躍で連倒。4月を5割フィニッシュできた。首位戦線浮上へ、5月の虎も新井が引っ張る。【松井清員】



