<巨人3-7阪神>◇3日◇東京ドーム
巨人を倒してこそのエースです。阪神能見篤史投手(31)が、巨人戦の連勝を8に伸ばし、伝説のサイドスロー小林繁の持つ球団記録に並んだ。試合途中で投球パターンを変更する幻惑投法で、6安打3失点。今季2勝目をマークし、チームを勝率5割に引き戻した。今年もG倒はお任せだ。
最強Gキラー襲名だ!
9回まで能見は、マウンドに立ち続けた。今季最多の127球目はフォーク。127キロの宝刀は、亀井のバットに当たると弱々しく二塁へ転がった。今季チーム完投一番乗りを決めた瞬間、能見は少し笑った。
「(最後までとは)言われてなかったけど、点差もあったので。ああ疲れた。東京ドームは何があるか分からないので」。
8回まで104球で3安打1失点。だが、9回に坂本の左翼最前列へのソロ本塁打と、長野の適時打で2失点。久保コーチも「最後は投げ急いだかな。でも、今日は能見でしょ」と大黒柱をたたえた。
09年7月19日の対戦で完投勝ちして以来、653日の間、巨人相手に無傷で重ねた白星は8つ。79年の小林繁氏がつくった球団記録に並んだ。
「大、大先輩に肩を並べられるのはうれしいです」。
鳥取城北高で甲子園を目指し、3年間汗を流した。同じ鳥取が生んだスターに追いついたことが、素直にうれしかった。
前回の能見とは別人だった。4月19日、甲子園での伝統の一戦。能見はフォークを武器に巨人戦での球団記録となる7者連続奪三振を含め、10個の三振を奪った。そのうち、9個をフォークで仕留めた。だが、この日は先頭の坂本に2球連続でフォークを見切られると、城島と話し合いプランを変更。スライダーと、前回多投しなかったチェンジアップを軸に組み立てた。
「相手もフォークが頭にあったでしょうから」。
27個のアウトのうち、決め球のフォークは3つだけ。裏をかいた配球が、巨人打線を混乱に陥れた。
1年前の悪夢も完全に拭い去った。昨年5月2日、甲子園での巨人戦で走塁時に右足甲を骨折した。4カ月の戦線離脱を余儀なくされた。
前日2日には、「気にならないと思っていたけど、なんかうずくんですよ。すごいな、体って」と話していた。だが、それ以来の同球場で完投勝ち。球団史に名を残した左腕は、「最強Gキラー」として君臨していく。【鎌田真一郎】



