<楽天3-2阪神>◇28日◇Kスタ宮城

 試合前、楽天星野監督は言いました。「『お前ら何やっとんねん!

 ウチに負けるとは!』とか言うたろうかな」。そんな予言が現実になるとは…。阪神は、ベストオーダーが戻り、能見篤史投手(32)から榎田大樹投手(24)と信頼できる投手リレーでも延長サヨナラ負けで3連敗。5月中の借金8は01年以来と、星野監督以前のペースに沈み込んだ。

 歯車のかみ合わないシーズンを象徴する幕切れだった。10回裏にルーキー榎田を投入。先頭打者を四球で歩かせると嫌な雰囲気が漂った。

 「あれがすべてじゃないですか。それだけです」

 本人も悔やんだ。そして切り替えできなかった。1死二塁から楽天横川に直球を痛打される。左越えのサヨナラ打で、プロ初黒星を喫した。

 「すみません…」。榎田は目を真っ赤にしながら、雨に打たれた。この試合まで15試合でたった1失点。どうも巡り合わせが悪い。チームを救ってきたルーキー左腕まで崩れて、重すぎる敗北となった。

 原点回帰の一戦だった。前日27日には新井や金本ら主力9選手が被災地を慰問。復興に励む人々から勇気をもらい、全力プレーを誓ったばかりだった。鳥谷や城島ら故障者もスタメン復帰し、メンバーはそろっていた。それでも課題のつながりは取り戻せなかった。

 8回先頭のマートンが右前打で出塁したが、平野の送りバントは一塁ファウルゾーンへの飛球で失敗。新井が併殺打でチャンスをつぶす最悪の展開。今季初めて指名打者で起用した5番金本も4打数ノーヒットだった。

 「点は取れないときに取っておかないと。点が取れないんでね」

 真弓監督も苦境に頭を悩ませるばかりだ。相手の先発が左腕の場合、これで2勝12敗1分。ただ原因は左腕だけではない。各打者の調子が上がらず、攻略できる投手は限られているのが現状だ。

 残り109試合あるとはいえ、とても楽観視できない。開幕から一進一退を続けてきたチームは交流戦で2勝7敗。一気に黒星が増えてきた。借金は今季ワーストをまた更新して8個。危険領域である2ケタ「10」が目前に迫ってきた。

 「何とか少しずつでも、点が取れるようにしていく」

 試合後の会見で、指揮官は締めの言葉を絞り出した。マートンに復調の兆しが見えたが、今は明るい材料を探している時期ではない。とにかく白星がほしい。早々とペナントレースから脱落するわけにはいかない。【田口真一郎】