<阪神5-3ソフトバンク>◇3日◇甲子園
ドカーンと大花火はいらない。トラ打線に勢いつけたのは小兵柴田講平外野手(24)のバント百烈拳だ。勝ち越した2回、そして4回と連続して送りバントを内野安打としてかき回した。5回満塁ではボテボテの一ゴロでプロ初打点もマーク。打球は外野に飛ばなくても、今季7戦全敗だった外国人先発投手の“KO”に成功した。
こんな攻撃ができるなんて!
8番柴田の足と小技が輝いた。2回無死一、二塁。ホールトンの初球144キロ直球を転がした。打球はホールトンが伸ばしたグラブの先をすり抜け、遊撃の前に転々…。岩田の勝ち越し打を導く内野安打だ。4回にも無死一、二塁で初球141キロ直球を三塁に転がし、俊足を飛ばして一塁を駆け抜けた。バントを内野安打とし、満塁機を2度も作った。
今季4度目のスタメン出場。プロ3年目でマルチ安打は初。5回には1死満塁から一塁にボテボテのゴロを放ち、プロ初打点を挙げた。「ヒットという形で挙げたかった」と残念がったが、内野をコロコロと転がった3本の打球が、今季苦しめられた外国人先発のホールトンを沈めた。
真弓監督は「彼が一番ツイてたんじゃないか」と目尻を下げた。待望のラッキーボーイ。当の柴田は2回、勝ち越しにわくマンモスで1人反省していた。
柴田
セーフティーバントのサインだったけど構えてしまった。自分のサインミス。(うまく処理されたら)ゲッツーを取られている。
高レベルを求める男だ。2月キャンプの休日や全体練習後、マシンから約10メートルの距離で“剛速球”を打ち返す至近距離打撃に励んだ。国際武道大時代の08年、世界大学選手権の日本代表に選ばれた。後に全米ドラフト1位でナショナルズに入団したストラスバーグと対戦。速球に衝撃を受けたのがきっかけだった。
「こんな球が速いピッチャーがいるんだって。こんな速い球投げるやつはいない、というぐらいの距離で慣れさせておけばと」。
この日は真弓監督も積極的だった。5回に先頭鳥谷が四球で出塁。新井とのランエンドヒットで一気に三塁まで進み、ブラゼルの左越え打で追加点をもぎ取った。次の塁を狙う姿勢を一時も崩さなかった。
真弓監督
もう少しうまく点が取れるまではね。1つ勝ってどんどん点を取れるようにしていきたい。
ベンチが動き、若トラはひたむきな向上心を胸に動いた。得点力不足に悩んでいたチームに、ツキが舞い込んだ。【岡本亜貴子】



