逆襲の秘密兵器は剛腕サウスポー!

 広島のルーキー中村恭平投手(22=富士大)が23日にも1軍に合流する予定であることが20日、分かった。開幕から2軍暮らしだが、先発で結果を残しており、1軍初昇格後は先発デビューが濃厚だ。チームは交流戦最下位に終わり、5位に転落。最速153キロの力投派が「起爆剤」の役回りをになう。

 傷だらけの交流戦を終えた野村カープは、反攻の手だてを整えていた。その1つが先発陣の再整備。2軍からイキのいい中村恭を昇格させることを決めた。23日の1軍練習で合流予定。チームが借金7と低調なだけに、フレッシュな戦力で巻き返しを図る。

 先発スタッフは前田健、バリントン、福井の3人しか固定できず、24日中日戦(マツダ)から再開するリーグ戦で駒は足りない。そこで白羽の矢が立ったのが中村恭だ。山崎2軍監督も「推薦できるだけの結果を出している。制球も安定してきたし、変化球でもストライクを取れるようになってきた」と評する。2軍戦では8試合に登板して3勝3敗。チーム最多の49回2/3を投げ、防御率1・81と抜群の安定感を示している。

 開幕直後の4月16、17日巨人戦(マツダ)で今村、福井が立て続けにプロ初勝利を挙げ、チームに勢いをつけた。新人の中村恭が後に続けば、チームが活気づくのは間違いない。

 肝心の先発デビュー日は26日中日戦や28日からの阪神2連戦など候補が多く、敵をかく乱させる効果もある。この日、中村恭は「1軍でも2軍でも自分の投球をできればいい。ストレートで腕を振って投げられているので、変化球も少しは生きてくる」と言う。同期福井が3勝しているが「自分は自分のペース。特に気にしていない」とあっさりしたもの。わが道を行く左腕の初陣が近づいてきた。【酒井俊作】