導火線の火は消すな!

 G倒へガチ対決だ。阪神はリーグ戦再開に向けて、今日21日から甲子園で全体練習を再開する。明日22日からは、シート打撃がメニューに組み込まれる。登板間隔があいている中継ぎ投手陣が登板予定だ。最近8試合で5度2桁安打を記録している猛虎打線。1・5ゲーム差に詰める3位巨人戦を前に、身内との真剣勝負で準備を整える。

 G倒へ向け余念はない。交流戦で10勝14敗と負け越したものの、ここ8戦で6度の2桁安打をマークするなどドン底は抜け出した。3位巨人とのゲーム差も1・5。リーグ再開直後の3連戦で、一気に逆転可能な状況にある。復調打線の導火線の火を消さないようマートン、鳥谷、新井、ブラゼルら主力クラスと中継ぎ陣とのガチ勝負の場が設定される予定だ。球団首脳も、本気モードを強調した。

 「ある程度、実戦に近い形でやらないと。短い時間の中で確認することを、練習に入れていく」。

 チーム得点142はリーグワーストだが、チーム打率2割4分5厘はリーグ2位と打線全体の状態は上昇。課題は得点効率の悪さで今季は50試合中、38試合が3点差以内と接戦での戦い方がシーズンの行方を左右する。チーム本塁打数もリーグ5位の27本にとどまり、確実に1点を取るための意識付けを実戦形式の中で継続していく。

 相手となる中継ぎ陣も単なる調整にとどまらない。榎田、小林宏、藤川の勝ちパターンの3人以外は、12日西武戦(西武ドーム)以後、登板機会がなく打者との対決に飢えている。渡辺、久保田、西村に加え、2軍から左腕川崎が合流し登板する見込み。現状では、中継ぎ左腕は榎田ただ1人のみ。結果次第で、右の中継ぎ陣から入れ替えの可能性を含んだサバイバルマッチにもなるだけに、打者にとってもありがたい。

 クライマックスシリーズ出場権のAクラスはもちろん、首位ヤクルトまでも6・5ゲーム差と可能性はまだまだ残されている。

 24日の先発が予想される巨人東野には5月3日の前回対戦でクリーンアップが3連発を浴びせており、攻略のイメージも沸く相手だ。ともに伝統の一戦から巻き返しを期すが、ライバルを踏み台にして駆け上がるのは、虎だ。