<西武9-8日本ハム>◇10日◇西武ドーム

 日本ハムは今季最長4時間19分のシーソーゲームの末、西武に敗れて連勝が5で止まった。先発の糸数敬作投手(26)が2者連続本塁打を浴びるなど、前半のリードを守れず4回6失点でKO。打線は15安打を放って一時は試合をひっくり返したが、救援した投手陣が踏ん張れなかった。引き分けを挟んだ西武戦連勝も9でストップ。首位ソフトバンクも敗れたため、2・5ゲーム差は変わらない。

 危険予測に欠けたベンチワークが、すべてだった。日本ハム梨田昌孝監督(58)は、ジョーク交じりに気丈に振る舞った。「この試合が昨日(8月9日=野球の日)やったら、おもしろかったんやけどね」。試合序盤から先行逃げ切りの必勝パターンへ持ち込みながら、壮絶なシーソーゲームで散った。首位ソフトバンクに1・5差に肉薄できた可能性が大きかった1勝を手放した。

 投手陣の駒不足が、大乱戦での黒星の伏線だった。試合前に前夜、先発ブライアン・ウルフ投手(30)が6回78球無失点の早期降板で3連投を余儀なくされた榊原諒投手(26)を、この日は休養のため温存することを首脳陣間で決定。早期降板の可能性もある未知数の糸数が先発だったが、必勝パターンの中継ぎ1枚を戦略から外していた。それが、裏目に出た。継投を重視して中継ぎ7人を登録しているが、この試合は実質6人。野手陣が、苦手帆足を攻略するなど奮闘。2度も逆転して流れを引き寄せたが、フイになった。

 両軍30安打の乱戦にも、打撃好調スケールズを7回の守備で交代。守備を固めて1点のリードを守りにいったが、そこは役者不足の中継ぎ陣。本来は榊原に任せる1点リードの7回に、谷元と宮西で一挙3失点で逆転された。今季は主に敗色濃厚な場面で起用されてきた2人は気迫は見せたが、迫力負けする西武打線に、終盤の要所で屈した。

 13連戦佳境での計算ミス、チグハグさが命取りだった。今季両リーグ最長4時間19分で計5投手、ベンチ入り野手は飯山1人を除く14人を起用した。1点を返して1点差。なおも一打逆転の好機、最終回無死二、三塁で代打要員は鵜久森だけ。1死から大野に代打を送れず、スケールズの代役出場の今浪が最後の打者になった。手詰まり感を象徴する終戦だった。梨田監督は「もったいない?

 いつも、もったいないとか言っとったら、優勝しとる」と強がった。後味悪く、止まるべく連勝は5で止まった。【高山通史】