<西武9-4日本ハム>◇11日◇西武ドーム

 日本ハムが最下位西武相手に痛い連敗を喫した。1点リードの6回に、日本ハム先発ボビー・ケッペル投手(29)が連打と四球で無死満塁とされ失策で同点。さらに浅村に2点適時打を許し、勝ち越された。続く救援陣も勢いを止められず、この回だけで5失点。2日続けての大量失点で2年目菊池にプロ2勝目を献上した。首位ソフトバンクが勝ったため、今日12日からの3連戦を前にゲーム差は再び3・5ゲームに開いた。

 大敗では、ダジャレもむなしく響いた。西武菊池にプロ2勝目を献上し、2試合連続で逆転での大敗。梨田昌孝監督(58)は、相手2年目の先発左腕にかけ「これは『ユウセイ勝ちやね』。1本勝ちじゃない」。ウイットに富んだジョークはさく裂したが、最下位西武との3連戦1勝2敗と負け越しでは、笑えない。カード初戦で白星も以降2戦で計19失点と自慢の投手陣が乱れ、また沈滞ムードが漂った。

 頼みの綱が崩れた。10勝の助っ人エース格のケッペルが1回の先制点を含む2度のリードを守り切れない。1点差から、逆に1点リードの援護をもらった6回が分岐点。先頭打者から2連打を浴び、犠打狙いで投入された代打阿部に四球で無死満塁。小谷野の適時失策を皮切りに一挙5点を失う伏線をつくった。「あそこで点を取られていなければ、最後まで投げられた」の強がりもむなしかった。

 風雲急を告げたチーム状況に、カンフル剤を注入することが急きょ決定した。この日、3番手で登板した木田を降格し、代わりに多田野の再昇格。火の付いた西武打線を相手に7回から2回を2失点と気迫で敗戦処理を務めたベテラン右腕に替え、ロング救援要員を補充することになった。13連戦中で疲弊気味の救援陣をリフレッシュさせるため、場面を選ばず投入可能なタフな多田野を選んだ。

 ここ2戦は試合の序盤、中盤に1イニング5失点のビッグイニングを招いたことが敗因。ブルペン担当の芝草投手コーチは「ここで踏ん張ってみんなで1年を乗り切っていく」とシーズン佳境を前にした乱れからの仕切り直しを誓った。今日12日から首位ソフトバンクとの直接対決3連戦を前に3・5差へと広がった。一気に首位奪取の可能性はなくなったが先を見据え、手は打った。【高山通史】