<日本ハム0-2楽天>◇16日◇札幌ドーム
楽天田中将大投手(22)が、勝利数(19)防御率(1・27)最高勝率(7割9分2厘)の「投手3冠」を確定させた。日本ハム戦に先発し被安打5で完封。今季14度目の完投で19勝目を挙げた。誇るべき数字を並べたが、「好不調の波が少なかった。完投が多かったのは、中継ぎの方の負担を考えれば良かった」と淡々としていた。20勝についても「興味がない。しっかり1年先発を守った結果ならいいが」と素っ気なかった。来年はチームを勝たせ胸を張る。
ほおを膨らませ深く息をついた。田中の11年ラストは外角のつり球だった。スケールズを空振りの3球三振。長い球史でも極めて高いレベルで投手3冠を確定させた。年間を通し投げ抜いたマウンドで仲間を迎え「数字を残せ、自信にはなるけど。みんなで戦ってきた積み重ねですから」と丁寧に握手し終えた。
「去年穴をあけた悔しい気持ち。歯がゆさがあった」と明かした。右大胸筋断裂でリタイアし、1人走っていた1年前。来年こそ、の問いに小さくうなずいた当時21歳は、断固たる決意を行動で示していった。
久米島の砂浜で「岩隈さんから開幕投手の座を奪い、沢村賞を取ります」と宣言した2月。フォークボールを見直し、スプリットへと昇華させた3月。地震に心痛め、避難所で待ち受ける全員に、日が暮れるまでペンを滑らせた4月-。
仙台に戻り最初の試合は4月29日。完投目前の9回、Kスタ後方に虹が架かった。マサヒロコールに「野球人として幸せ」と言った。7回までノーヒット投球も、ロッテ成瀬に屈した5月。「情けない」とこうべを垂れた。6月の広島で155キロを連発、敵地をざわめかせても「調子は良くなかった」と不満げだった。
ダルビッシュに投げ負け「まだ未熟」と悟った7月。ソフトバンクから奪三振18、ブルペン陣がベンチで眺めた8月。斎藤佑樹に胸を貸し「長い間、皆さんが喜ぶ対戦にしなくては」と優しかった9月。そして10月16日。「皆さんが思っているよりもう少し、良くなってる」。成長の源に制球力向上を挙げ、無四球完封でフィニッシュした。
22歳の劇的な伸びに自覚が追い付かない。「逆に、皆さんに(評価を)聞いてみたい」と第三者の評価を求めた。15日の羽田空港。
高須
最後、マサヒロのために仕事しなくちゃ。タイトルね。
本西打撃コーチ
スー(高須)、カズオ(松井稼)。頼む。将大のため必勝だから。
松井稼
もちろんですわ!
1番で。フル出場で。
誰しもを認めさせても、田中はまだ「ボールが変わったから」とにべもなかった。「1年じゃダメ。来年、再来年と続けて」とした一方で、「残念な部分はある」とも言った。「最後まで戦い抜くことが当たり前で、ベストを尽くしているが」の先を飲んだ。楽天を優勝させる。12年の目標が決まった。【宮下敬至】



