広島前田健太投手(23)が逆転での奪三振王を目指す。19日はマツダスタジアムで調整し、今日20日の中日戦で予定される先発に備えた。今季の奪三振数はリーグ2位の173個で、トップの阪神能見を8個差で追う。25日ヤクルト戦(神宮)を含め、あと2試合先発が濃厚で、2年連続の奪三振タイトルは射程圏内だ。
シーズンの「最終コーナー」を回り、前田健は全力でゴールテープを駆け抜ける。チームが5位に終わった悔しさを胸に秘め、目前のタイトルに照準を合わせた。
「最後(タイトルを)とれるところで狙いに行かないというのはウソになる。追い込んだら(三振を)狙うこともあります。(三振を)狙うときに狙ってとれる投手でありたい」
昨季、最多勝などタイトルを総なめした男が、奪三振王を視界にとらえる。11日の横浜戦(マツダスタジアム)で自己最多の13三振を奪い、能見と同数でトップに立った。だが、16日阪神戦(甲子園)で打線が能見に8三振し、再びリードを許した。能見は22日の直接対決で先発予定で、これが今季最終登板になる見込みだ。一方の前田健は今日20日に加え、中4日で25日ヤクルト戦に向かう。2人の残り登板数を考えても、逆転の可能性は十分ある。
長いシーズンを戦い抜く上で、前田健は奪三振に重きを置かない。「三振にこだわって、やっているわけではない。27三振よりも初球を打ってもらって70球から80球で終わるのが理想」とも話す。開幕前に描いた目標のタイトルも最多勝や防御率だった。思惑と異なるタイトルであれ、チャンスが巡れば、貪欲に狙う。
「1勝でも多く勝ちたいし、もう少し(勝利数を)のばしたい。防御率も下げたい。こう投げれば抑えられるという感覚を持って今年を終わりたいですね」
今季は10勝11敗と黒星が先行しており、勝利にもこだわる。広島で2年連続の奪三振王に輝いたのは76、77年池谷、08、09年ルイスの2人だけ。今季もまた、球団史に名を刻む機会に恵まれている。【酒井俊作】



