<ヤクルト2-1広島>◇25日◇神宮
ヤクルト宮本慎也内野手(40)が、球団史上初となる40代の打率3割をマークした。広島との最終戦は3打数無安打に終わったが、リーグ3位の3割2厘を記録。41歳以上シーズンでの打率3割は史上4人目の快挙になった。チームは9回1死まで広島前田健に無安打に抑えられたが、サヨナラ勝ちで29日に開幕のクライマックスシリーズ(CS)に弾みを付けた。石井弘寿投手(34)は、引退試合で打者1人を3球三振に打ち取った。
二塁ベース付近にできた歓喜の輪には、最後尾から加わった。宮本が、石井と肩を組んでサヨナラ打を打った福地のもとに走った。石井の左側には、東京学館高の1年先輩、相川がいた。この日、人生の節目を迎えた後輩を囲み、144試合目の勝利を喜んだ。
40歳のベテランが、136試合に出場し、打率3割2厘をマーク。41歳になるシーズンでは門田博光(当時オリックス)、落合博満(当時巨人)らに続き史上4人目の快挙になった。三塁手では初で、今季失策はわずかに1個だった。「チームがいい位置にいてモチベーションが落ちなかった。年寄りにはそれが一番」と笑った。
4月に初の月間MVPを獲得する好スタートを切ったが、10月には肺炎で4試合欠場した。チームのために完治しないまま復帰を決断したが、両足の太ももが肉離れ寸前の状態になった。回復のため、1日3~4リットルの水を飲んだ。この日も決して好きではない、はり治療を行ってからの出場。満身創痍(そうい)の中、結果を残しながら戦った。
ベンチでは石井の横に座った。「あいつには高卒1年目の時から厳しいことも言ったけど、へこたれずについてきた。今年元気でいてくれたら、優勝できていたかもしれない」と、別れを惜しんだ。
広島前田健から初安打を放ったのが藤本で、石井の投球時には相川がマスクをかぶった。宮本を含めて「みんなアテネオリンピックのメンバー」と懐かしんだ。石井には左肩の手術を相談されたことがあった。「手術した方がいいと言ったけど、しなければもう少し投げられていたかもしれないとか、いろいろ考えてしまう」とも言った。
試合後は、何よりも先に石井の家族の元に向かった。かわいがってきた後輩の節目をサヨナラで飾り、クライマックスシリーズに弾みをつけた。【前田祐輔】



