<フェニックスリーグ:日本ハム5-2中日>◇25日◇アイビー

 指揮官の花道、オレも加わる!

 中日高橋聡文投手(28)がCSへ、完全復活をアピールした。フェニックスリーグ・日本ハム戦の7回に登板すると、1回を完璧に抑えて浅尾、岩瀬につないだ。今季登板は左肩痛でわずか2試合だったが、CS、シリーズの完全制覇で落合博満監督(57)の花道を飾る意欲。昨季優勝の原動力だった「7回の男」が復活すれば、鬼に金棒だ。

 あの力強く、思い切りのいい腕の振りだった。高橋がマウンドに上がったのは7回、慣れ親しんだ“仕事場”だった。先頭の飯山を中飛に、今浪は遊ゴロ、いずれも力のあるストレートで押し込んだ。最後の打者陽岱鋼も高めの速球で空振り三振。豪快なピッチングスタイルは昨年をほうふつとさせた。

 「結果は出てますけど、あまり、いいボールがいっているとは思わない。いいボールと、悪いボールがはっきりしていますから」

 本人はまだ納得していない様子だったが、チームにとっては大きな収穫だ。今季はキャンプ前に左肩を痛めて2軍でのリハビリが続いた。昨季、優勝の原動力となった7回高橋-8回浅尾-9回岩瀬という鉄壁リレーの1ピースが欠けた。小林正の大活躍と三瀬の起用などで何とか7回をしのいできたが、ついに高橋が14日巨人戦から昇格。実戦復帰後は公式戦2試合、練習を含めて7試合で1本のヒットも許していない。このまま調子を上げてCSへ臨めれば、盤石の投手陣にとっては鬼に金棒だ。

 CSにかける深い思いもある。「監督も辞められるんで、完全優勝して終わりたいです」。この日、自ら口にしたように、今季限りでの退任が決まっている落合監督にリーグ、日本シリーズの完全制覇を贈るつもりだ。01年にドラフト8位で入団した高橋は落合政権で自分の仕事場を確立した。ボール自体は一級品と評価されていたが、安定感と持続力に欠けていた。落合監督と森ヘッドは徹底的に走り込みを課した。

 「アキフミはどこだ!

 こらっ、アキフミ!」

 毎年11月に行われるナゴヤ球場での秋季キャンプに落合監督の大声が響き渡った。練習最後のランニングで周回遅れの高橋を見つけると、容赦ない言葉を浴びせて尻をたたいた。昨季、浅尾とともにセットアッパーとして花開いた。落合監督、最高の花道へ。また1人、頼もしい男が加わった。【鈴木忠平】