和田“新監督”が始動-。阪神次期監督に決まった和田豊打撃コーチ(49)が25日、早くも来季巻き返しへ動きだした。打撃力アップには、今季ナインが苦しんだ統一球克服が欠かせないと力説。早速秋季キャンプでは、今季の反省に基づいた対策をナインに伝授する考えだ。前夜は真弓監督と“政権交代”の杯。28日の正式発表をもって、和田阪神が誕生する。

 広島での最終戦から一夜明け、和田打撃コーチは、南球団社長から監督就任要請を受けたと初めて明かした。広島3連戦初戦の22日深夜、宿舎でのこと。そしてこの日までに受諾し、猛虎の第32代監督としてチームを率いる覚悟を固めた。

 「昨日までは試合が残っていたから次のことは考えられなかったけど、区切りをつけていく。(南社長には)思っていることをお話させてもらってます」

 組閣など急務の課題も山積みだ。だが打撃コーチの立場から、来季巻き返しへのテーマは明確だった。それは今季苦しめられた統一球への対策。チーム浮沈のキーと定め、熱弁を振るった。

 「(統一球は)飛ばないし動く。それに今年は審判のゾーンもワイドで打者は苦しんだ。去年に比べチーム打率も得点もかなり落ちている。でも落ちっ放しじゃいけない。(克服)できるチームが上がって行く」

 昨年あれだけ打ちまくった打線が、今年は不安定だった。鳥谷、新井、ブラゼル、あのマートンでさえ苦しんだ。だが新監督は「終わって分かることもある」とヒントを発見していた。

 「子どものころはよく、“ギリギリまで引きつけて打て”と教えられたよね。でもポイントを前にして本塁打を打ってる打者もいる。当然下半身の使い方も変わってくる。誰でも理想の打撃はあると思う。でもボールによって(理想を)変えていかないといけない」

 それは統一球をモノともせず、2冠に輝いた西武中村の打法を指しているのだろう。どうすれば統一球を打てるのか。お手本は今季成績を出した選手が示している。一つのヒントが極端なまでの前さばき。それには長年培ってきた打撃理論を覆すほど、思い切った改造も必要になる。11月2日からの秋季安芸キャンプでは、意識改革を経て打撃改革に取り組む意気込みだ。

 新監督の成功に、思いがけないエールもおくられていた。真弓阪神の最終戦終了後の24日、広島の宿舎。食堂で真弓監督、木戸ヘッドを中心に首脳陣みんなでテーブルを囲んだ。そんな最後の晩餐(ばんさん)で、真弓監督から和田新監督へ“次は頼んだぞ”というゲキも飛んだという。

 「そういう感じは、十分に伝わりました」。熱い、深夜の政権交代。志半ばで退任する真弓監督の思いも受け継ぎ、和田阪神は28日に船出する。【松井清員】<和田“新監督”一問一答>

 -阪神監督就任が決まった

 和田コーチ

 まだ会社の発表がないので…。もう少しお待ちいただけますか。

 -組閣などは進展したか

 和田コーチ

 まったくこれからの話。ただ、どのタイミングかは分からないけど(南社長と)話し合いはあると思う。そういう話にもなってくるでしょう。明日は健康診断があるので甲子園に行きますけどね。

 -和田阪神のチームプランは

 和田コーチ

 まだ昨日試合が終わったばかりなんでね。僕たちにも真弓監督をそう(辞任)させてしまった責任もあるし…。でもこれからは(南社長と)そこが足りないとか、そういう話もしていかないといけないと思っている。自分なりに、ああしよう、こうしようという考えはあります。

 -打力アップは課題

 和田コーチ

 (統一球で)打者は苦しんだ1年だった。みんな必死に努力してくれていたし、今はいろんなことを感じていると思う。そこを反省して、しっかり対策を練っていきたい。