阪神真弓明信監督(58)が25日、大阪市内の電鉄本社でシーズン終了のオーナー報告に臨んだ。CS進出を逃し、辞任を決意。この日、坂井信也オーナー(63=電鉄本社会長)に申し入れ、正式に退団が決定した。就任から3年。悲願の日本一は夢と消えた。退団会見では声を震わせ、心境を語った。その姿勢は潔かった。
真弓監督
皆さんに喜んでもらえることが少なかった。勝負の世界ということで、チームの成績が悪く、納得してもらえなかったら、辞任するしかない。それは就任したときから思っていた。これだけの戦力を預からせてもらって、CSに進出できないとなれば、責任を取るしかない。
シーズン前は優勝候補に挙げられたが、苦戦の連続だった。統一球の対応に苦慮し、城島ら主力の故障もあった。それでも言い訳はしない。勝利と育成の両面を求められるなど、就任3年間で課せられた「役割」は重かった。広い甲子園を本拠地に守りの野球を思い描いたが、攻撃型の布陣で現実は思い通りにいかなかった。「自分の気持ちとは違う戦い方はしたかな」と率直な気持ちを明かした。
今季は柴田や上本ら若手の活躍が目立った。指揮官がまいた種が芽を開こうとしている。それでも、厳しい言葉を忘れなかった。
真弓監督
ただ試合に出るということじゃない。試合に出て、チーム力が上がり、優勝争いをすることで、初めて伸びてきたということだ。スタートラインに立った。これからだ、ということは言った。
強烈な重圧からの解放。しかし真弓監督に安堵(あんど)の思いはなかった。「プレッシャーは喜びでもある。ホッとしたということはない」。契約を1年残して、ユニホームを脱ぐ。闘志はまだ胸の中でくすぶっている。【田口真一郎】



