ヘッドはナデナデ!?

 有田修三ヘッドコーチ(60)が8日、秋季安芸キャンプに合流。即ボディータッチでナインと親交を深めた。ブルペンでは小嶋に右手を差し出し握手。その後ググッと近寄って耳元でささやき、肩を抱くようにアドバイスを送った。さらには秋山にも同じようにささやき、安藤とはベンチに腰掛け、手を膝に置きながら話しかけた。鬼軍曹の風ぼうとは裏腹。意表をつくデビュー戦となった。

 コーチでユニホームに袖を通すのは99年の近鉄以来で阪神では15年ぶり。ボディータッチ交流は、ナインとの距離を一気に縮める有田流コミュニケーションだった。「まあね。少しずつね」。新井良のバント練習では自ら打席に立って手本も転がした。還暦とは思えない身のこなしで、日が暮れかけた居残り捕手の捕球練習にまで付き合った。

 「満足の練習やな。こんだけやったらエエやろ。強くなるわ。(投手陣も)素晴らしいやろ」。満足げな有田ヘッドを和田監督も頼もしげに見つめた。「最初は選手をよく見て把握していくと言っていたけど、よく見てどころか指導もされて精力的。お疲れの出ないように」。星野監督の勇退以来、8年ぶりに復活した虎の背番号77をまとい、練習前の円陣で「優勝しよう」と猛ゲキも飛ばした。次は鬼の一面がベールを脱ぐかもしれない。【松井清員】