日本シリーズ最終戦は20日、ソフトバンクが中日に3-0で完勝し、4勝3敗で2003年以来5度目の日本一に輝いた。

 不況や娯楽の多様化によって野球人気に陰りが指摘されている中、ソフトバンクが8年ぶりの日本一を決めた福岡では、驚異的な視聴率を記録し、大きな経済効果が見込まれるなど盛り上がりを見せた。

 福岡県は過去の優勝時の実績を基に、クライマックスシリーズと日本シリーズを合わせた県内の経済波及効果を約388億円と試算。うち百貨店などのセールの売り上げが約237億円、観客の交通費、飲食代などが約96億円とはじき出した。県の担当者は「経済効果はもとより、明るいニュースが少ない中で地域に元気を与える効果は計り知れない」と話す。

 ソフトバンクはダイエー時代の1993年に福岡ドーム(現ヤフードーム)が開業して以降、今年まで19年連続でパ・リーグ観客動員数がNO・1。福岡市周辺では試合のある日、タクシー運転手や宅配ピザのドライバーらがユニホームを着込んで仕事をするなど、地域をあげての応援スタイルが根付いている。

 テレビの視聴率も北部九州地区で軒並み跳ね上がり、ビデオリサーチによると、17日の第5戦では平均視聴率34・0%、瞬間最高視聴率は48・7%に達した。