<オリックス1-4ロッテ>◇1日◇京セラドーム大阪
ロッテの“角さん”が首位打者浮上で、苦境のチームを“助”けた。同点の6回1死満塁。投手は左キラー吉野。角中勝也外野手(25)は2日前の対戦を思い起こした。「やられた球を待つ」。前回は2球で追い込まれ、三ゴロ。さらに前進守備を見て打席の方針を固める。「あれだけ前にいれば、内野ゴロでも抜ける確率は高い。外野フライは頭になかった」。そして初球の外角低めの130キロ直球に反応。痛烈な打球が一、二塁間を抜け、勝ち越し点を入れた。
8回にはダメ押し点を呼ぶ二塁打で今季16度目のマルチ安打。6月27日の西武戦で規定打席に到達したばかりだが、打率を3割3分とし、3割2分7厘の日本ハム田中を抜いて首位打者に立った。「気にする時期じゃない。1日1本は打ちたいと思うけど」と感情の変化を見せなかった。
もともと、欲が表に出ない。日本航空二高時代、授業で小型機に乗って大空を飛んだ時も「そこまで感動はなかった。別にパイロットになりたいとも思わなかった」とクール。今年の活躍で背番号61から主力級の番号に変わる可能性もあるが「あまり空いてないし、そこまで変えたいというのもない。巨人の坂本も(前は)61番だったし、出世番号かな」と、あまり興味を示さない。そんな男だからこそ、打率という数字に惑わされることは少ない。
この日は地元石川から両親を含め約50人の大応援団が観戦。規定打席到達の記念にブランド牛1キロを実家に送り「届いたよ。ありがとう」とメールで感謝されたが、試合での活躍は何よりのプレゼントだ。角さんは両親にも、そして主のロッテにもバットで奉公を続ける。【広重竜太郎】



