<ヤクルト12-16広島>◇26日◇神宮

 広島前田健太投手(24)が6連勝で、両リーグ最速で10勝目を挙げた。1回に4点の援護を受けると、3回までにわずか27球で完全投球。だが、4回に味方が3失策を犯すと3失点。球数も1イニングで38球要すと、疲れが見え始めた5回には4連打され、さらに3点を失った。6失点は10年7月30日(マツダスタジアム)で8失点して以来。白星を手にしても、試合後にエースに笑顔はなかった。

 「今日の10勝は悔しいですね。点を取って、勝ちを付けてもらいましたけど。10勝は最低ラインなので」

 蓄積した疲労は隠せなかった。前半戦最終登板の17日中日戦(マツダスタジアム)から、中3日で球宴第2戦(松山)に登板。3回1安打でMVPを獲得したが、そこから中4日の強行で3位を争うヤクルト戦のマウンドに立った。

 「オールスター期間は、移動や、練習もあまりできなくて難しい部分もある。でも、シーズンに入ればそうも言っていられない」

 言い聞かせるように反省した。野村監督も「足も引っ張られたけど、エースとして後の3点を抑えてほしかった」と厳しい注文。節目の勝利もほろ苦さを残した。【鎌田真一郎】

 ▼前田健が自身初の6連勝で今季10勝目。広島投手の両リーグ10勝一番乗りは53年長谷川、82年北別府、95年山内、08年ルイスに次いで5人目だ。この日は5回6失点で勝利投手。前田健の6失点以上は10年7月30日巨人戦(8失点)以来4度目だが、過去3度はすべて敗戦投手。6失点以上で白星は初めてになる。