阪神が2軍打撃コーチとして河村健一郎氏(64)を招聘(しょうへい)することが6日、明らかになった。オリックスや巨人などで打撃コーチを歴任。イチローの「振り子打法」生みの親として有名だ。若手育成が急務の阪神は同氏の手腕に託すことになった。本人も受諾の意向で、シーズン終了後に正式契約を交わす見通しだ。

 阪神が「コーチ人事」でもファーム改革を推し進める。2軍打撃コーチとして、河村氏を招聘(しょうへい)することが分かった。本人も受諾する方向でシーズン終了後に発表される見通しだ。

 金本や城島が今季限りで現役を引退。新戦力の補強に着手しているが、若手育成の課題もテーマのひとつだ。特に打者は生え抜きスラッガーが欠乏している状態。中谷や一二三ら将来の4番候補はいる。これらの素材をいかに中軸の打てるバッターに育て上げるか。そこで河村氏に白羽の矢が立った。

 同氏は「イチロー」の恩師として、あまりにも有名だ。オリックスの2軍打撃コーチ時代に、プロ入り間もないイチローと出会い、二人三脚で「振り子打法」を作り上げた。メジャー挑戦後、世界的な打者になっても、師事する姿は変わらなかった。また95年には巨人の1軍打撃コーチに就任。当時の長嶋監督が望んだと言われている。その指導法の特徴として、球界関係者は「短所を直すのではなく、長所を伸ばす指導だ」と言う。振り子打法もイチローの長所を伸ばしたことで完成の域に達した。ファームにいる素材を大きく育てるには、最適の人選と言える。

 中村GMは就任直後に、2軍改革に乗り出すことを宣言していた。そのひとつとして、有望な人材により多く出場機会を与える英才教育がある。コーチ人事でも1軍打撃コーチに水谷実雄氏(64)を招聘(しょうへい)。同学年の河村氏との協力関係が構築できることが期待されている。ここ数年の懸案材料である1、2軍のコミュニケーション不足も解消され、同じベクトルで打撃指導に取り組めるメリットがある。

 西岡と福留ら大型補強に話題が集まっているが、チーム再建には、補強と育成の両輪が回転する必要がある。「イチローの恩師」の加入で、チーム土台ができ上がるかに注目が集まる。

 ◆河村健一郎(かわむら・けんいちろう)1948年(昭23)2月26日、山口県生まれ。桜ケ丘-芝浦工大-日本石油を経て、71年ドラフト外で阪急(現オリックス)入団。実働11年間で632試合に出場し、打率2割6分7厘、49本塁打。82年の現役引退後は阪急、オリックス、巨人、中日の打撃コーチを歴任。04年にオリックスに復帰したが、同年で退団。その後は野球解説者として活躍した。