阪神中村勝広GM(63)が6日、今季、海外FA権を取得した鳥谷敬内野手(31)についてドッキリ発言した。今後の交渉について問われると「もう合意している話だから。僕が来る前の話だけど、条件は聞いています」と口走った。来季の戦力構想を描く上でセンターラインが命綱になる。そんな思いを抱くからこそ、中村GMも不動の遊撃・鳥谷への信頼感が強くにじみ出た模様だ。

 今季は1試合を残すが、5位に終わった。来年の巻き返しに向けて中村GMを中心に急ピッチでチーム再建を図っている。今年、米国でプレーした西岡剛内野手(28)の獲得は決定的な状況だ。さらに福留孝介外野手(35)の獲得を目指して極秘交渉を行っていることも明らかになった。元メジャーリーガーのダブル獲得に全力を注ぐ一方で、阪神の生え抜きとして活躍を続ける鳥谷にも、誠意を尽くして慰留するスタンスだ。

 球団はシーズン後に本格化する残留交渉に備えて、好条件を用意する。FA権を行使した場合、再取得に要する4年の大型契約を提示する方針だ。この日、同GMも「それが最大限の誠意ですから。あとは本人がどう選択をするか」と説明した。メジャー移籍も選択に入れる鳥谷に対し、最大限の熱意をアピールする。

 今オフは例年にない大型補強が実現する可能性がある。それだけではない。生え抜きのスター選手の残留も確定させて、猛虎打線の復活をもくろむ。