WBC代表候補入りした中日山井大介投手(34)が、まさかの“時間切れ保留”だ。7日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、4400万円増の8000万円を保留した(金額は推定)。一番の理由は金額でも評価でもなく、タイムオーバー。山井が「時間が足りなかったですね」と言えば、交渉役の佐藤良平球団代表(56)も「時間切れ」と苦笑いだった。

 この日は午前中から計7人の交渉が集中した。山井は大トリでの登場。中日自慢の継投にたとえれば、7人継投の抑え役だ。抑えは、シーズン終盤に岩瀬に代わって文句なしの仕事を果たした山井の“持ち場”のはずだったが、マウンド上とは勝手が違ったようだ。

 当初は午後4時に交渉を開始する予定だったが、小林正-中田賢とつなぐ?

 うちに徐々に時間が押していった。

 山井がテーブルについた時点で40分遅れ。交渉後は地元ラジオ局のパーティーに参加予定のため“延長”はなし。シーズン中の3時間半ルールではないが、時計との勝負まで加わり、約45分間の交渉でスッキリしてサインとはいかなかった。

 金額の開きは大きくないようで、山井は「埋まると思います」と話した。先発、中継ぎ、抑えと1年間フル回転し、田島と並ぶチーム最多の56試合に登板。防御率1・43と驚異的な数字を残した。この点について佐藤代表からも「申し分ない」と高評価をもらった。この日、足りなかったのは時間。まさに『タイム・イズ・マネー』!?【八反誠】