来季のストッパーに指名された阪神久保康友投手(32)が「哲学的守護神」を目指す。17日、清水誉捕手(28)と大阪府泉大津市の生活介護施設「ワークショップかりん」でイベントに参加。新しい持ち場について「自分のジャンルを作っていくのがプロ」と新しい守護神像を確立する考えを示した。

 近日中に和田監督と顔を合わせ、来季の職場を伝えられる見込み。指揮官との会談について久保は「予定は未定。予定については言えません」と口を閉ざしたが「自分のパフォーマンスを上げることしかない」と、抑えへの試行錯誤を始めていた。

 野球の細部にこだわり、追い求める姿勢を山口投手コーチに認められ「投げる哲学者」と呼ばれる。投球はもちろん、オフの準備、身体作りに関しても先駆者に助言を求めるより、自分で考え、試してみる。08年にセットアッパーを務めた経験はあるが、プロ通算セーブ数はゼロ。「体験して理解して、自分に合ったものを見つけていかなければ」と感性を信じる考えにブレはない。

 この日のイベントで「タイガースで優勝したい。その思いは強い」と語った。決め球になるのか、組み立てになるのか。久保のスタイルを確立し、勝ち試合を締めくくる。【堀まどか】