代打の神様が「鬼神」になる!!

 阪神桧山進次郎外野手(43)が17日、西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、200万円減の年俸3800万円で更改した。今季限りで金本知憲氏(44)が現役引退し、来季はチーム最年長として自覚たっぷり。「生ぬるいことをして優勝できない」と語気を強め、勝つ集団への変貌を目指す。(金額は推定)

 普段は温厚なジェントルマンが険しい表情を崩さなかった。借金20で5位。7年連続で優勝から遠ざかり、「ノーモア暗黒時代」の危機感をあらわに、あえて厳しい言葉を投げかけた。

 桧山

 このままではタイガースのユニホームを汚してしまう。伝統のあるチームなので、もう1度、奮起して強いタイガースに戻らないと。生ぬるい環境がここ数年はあった。

 来季は実働22年目で、阪神生え抜きとして最年長。大卒野手でもプロ野球歴代最長となる。そんな大ベテランが危惧するのはマンネリ化したムードだった。チームを2度の優勝に導いた金本が現役引退。V経験のある城島、藤川もチームを去った。ズルズルと泥沼にはまらないためにも来年が肝心だ。だからこそ、神様が鬼になる責任感を口にした。

 桧山

 いままでカネもっちゃん(金本)に任せていた部分があった。これからは自分自身が引っ張っていかないといけない。自分の立場もある。

 関本選手会長や野手キャプテンの鳥谷とトリオを組んで、リーダーシップを発揮する。規律を正し、妥協せず戦う姿勢を若虎にも求める。代打の神様から、まさに「鬼神」と化す覚悟だ。「生ぬるいことをしていて優勝できない。『みんな成績が悪かった。個々でもうちょっと頑張らないと』というだけでは優勝できない」と強調した。

 今季までの通算代打98打点は八木と並ぶ球団記録。セ・リーグ最多記録(広島・宮川孝雄、118打点)も視界に入る。代打起用回数は701回を重ね、こちらも1位宮川の778回に迫っている。

 桧山

 それだけ活躍できたらチームに貢献しているということ。高い数字ですけど、頑張ればできる。自分を信じて。諦めたら何もかも終わってしまう。

 昨年11月には左鎖骨を骨折し、必死のリハビリで今季開幕に間に合わせた。契約更改では200万円の減俸も、心は来季に。「今年は弱かったの一言に尽きる。巨人をあれだけ独走させたのも、うちが対戦成績であまりにも悪すぎたから。残されたメンバーで奮起してやらないと」。強虎復活に向けて、鬼神が精神的支柱になる。【酒井俊作】