中日山井大介投手(34)が19日、ナゴヤドームの入場料値下げを願い出た。名古屋市内の球団事務所で2度目の契約交渉を行い、自己最高の推定8000万円で更改。席上で“日本一敷居が高い”とされる入場料の改定を求めた。異例の直訴で球団も検討を約束。WBC日本代表候補、そのストレートは威力あるねえ。

 ナゴヤドームの入場料を安くしましょうよ。山井が契約更改交渉で異例の直訴だ。自身の年俸闘争はわずか数十分で、前回提示額と同じ4400万円増の8000万円でサイン。残りの1時間近くは何と、竜ファンの待遇改善にあてた。

 山井

 知り合いにも言われますが、ナゴヤドームは他球場に比べて高い。家族4~5人で来ても食事や交通費を合わせて4万円ぐらいかかる。ちょっとした旅行になるでしょう?

 子どものころ行った甲子園はそんなに高いイメージがなかった。もっと気軽に来れる球場にしてほしいんです。

 ナゴヤドーム内野席の最高額は5800円。甲子園の4000円などと比べても、“日本一敷居が高い”球場の1つで知られる。今季は球団初の3連覇をかけたシーズンだったが、逆に主催試合入場者は4年連続減少。CSファイナルステージのヤクルト戦も5階席が埋まり、メーンの3階席はガラガラの光景だった。

 山井

 5階の方が安いからですよ。僕たちも閑散の中でやるより満員の中でプレーしたい。その方が盛り上がるし、多くのファンと喜び合える。値段を下げて人を集めるように、見直した方がいいと思うんです。

 前回は交渉時間が数十分しかなく、異例の時間切れ保留をした。それは年俸の不満ではなく、入場料値下げを訴える時間がほしいからだった。球団も即座に反応した。特に、子どもでも大人と同じ料金が必要な席の多さに着目。佐藤球団代表は改善検討を約束した。

 佐藤代表

 更改で値下げの話をしてきた選手は初めてです。再来年は消費税も上がるし、経済情勢を考えれば各家庭が節約に入っている。山井選手が言う通り、その状況で毎日野球を見に来て下さいというのはしんどい。単純値下げにはならないかもしれないが、特に子ども席料金の設置は優先度が高いし検討します。

 山井の真っすぐが球団をえぐった。動員アップは大きな課題。そして誰よりも竜党がベストアンサーを期待している。【松井清員】

 ◆入場料

 ナゴヤドームの単独シート席で最も高いのは内野Sの5800円で、東京ドームの指定席S、5900円に匹敵する。甲子園は一塁アイビーシート4000円、神宮はS指定席4500円が最も高く、西武ドーム、QVCマリンも最高値は4800円。マツダスタジアムの砂かぶり席8000円や、福岡ヤフードームのコカ・コーラシートA1万2000円など高額に設定された席もあるが、ナゴヤドームは総じて高いレベルにある。