逆襲に自信あり!

 1年目のシーズンを終えた阪神の伊藤隼太外野手(23)が威勢良く2年目の大ブレークを予告した。鳴尾浜での今季最後の練習を終えた19日、普段は慎重な発言の多い男には珍しく自信をみなぎらせて言った。

 「いい感じできているので、継続したい。ずっと技術練習もやってこれたので、2月のキャンプインまでこのまま維持したい。期待しといて下さい!」

 ドラフト1位で鳴り物入りで入団したが、1年目は納得のいく結果が残せなかった。開幕スタメンこそ勝ち取ったものの、開幕カードの後に降格し、2軍暮らしが続いた。1軍では22試合の出場どまり。1本塁打、5打点、打率1割4分8厘と即戦力の期待に応えられなかった。

 巻き返しを図るオフ、隼太は打撃に手応えを感じている。自主トレ期間に入ってからも「感覚を忘れるのが怖い」と、休まず毎日バットを振り続けた。12月の強化自主トレ中も、誰よりも遅くまでマシンのボールを打ち続けた。最終日のこの日もいつも通り、全体メニューで守備練習などを行い、ウエートトレや室内での打撃練習を合わせて5時間以上、精力的に動いた。充実のオフを過ごした自信が、言葉に表れた格好だ。

 今後は関東に移り、母校慶大での練習に参加。1月には慶大の先輩、巨人高橋由との沖縄自主トレも予定している。2年目のレギュラー取りに燃える隼太のオフは休みなく続く。その先に有言実行の結果が待っているはずだ。【山本大地】

 ◆伊藤隼の今オフ

 10月のみやざきフェニックス・リーグで2試合連続の場外弾を放つなど覚醒。11月の高知・安芸秋季キャンプでも成長を首脳陣に猛烈アピール。中村GMに「俺の気持ちがそうなった大きな要因は伊藤の成長ぶり」と言わしめ、外国人外野手補強を凍結させた。阪神のドラフト1位野手では初めて1年目に減俸(1500万円から100万円減)で更改したが、12月は鳴尾浜で連日、6時間の猛トレ。無休で技術練習を継続している。