日本ハム大引啓次内野手(28=オリックス)が、原点回帰で遊撃のレギュラー取りを狙う。2日、キャンプ視察に訪れた母校・法大の大先輩で、WBC日本代表の山本浩二監督にあいさつするとゲキを飛ばされた。「ホームランを打つような打者ではない。低いライナーを狙って、シャープに振り抜け。それがお前の持ち味と言われました」。新天地での再スタートでハッパをかけられた。

 思い切りの良いスイングを取り戻す。「2年目くらいから余裕が出てきたのか、小手先の技術だけで横着していた。原点に戻って、アマチュアからやってきたスタイルをやれば」。プロ6年のキャリアで通算本塁打は19本。シーズン100安打を超えたのも新人だった07年だけで、打撃は課題としている。居残りのティー打撃では、しっかり振り切ることを意識し、黙々とバットを振り込んだ。

 山本監督は突然のトレードで移籍した後輩を心配していた。「大学の後輩だし、トレードで、ちょっと気になっていた。打撃も考えないといけないって話をした」。大先輩の助言は進むべき道を照らしてくれた。「いいきっかけになりました」と笑顔を見せた新戦力が、混沌(こんとん)とする内野のレギュラー争いを過熱させる。【木下大輔】