新人に負けてはいられない。日本ハム中田翔内野手(23)が、ドラフト1位のスーパールーキー大谷翔平投手(18=花巻東)にライバル心を燃やした。沖縄・名護で行われている春季キャンプは3日、第1クールを終了。3日に大谷が初めてブルペン入りしたとあって、栗山監督も午前中から2軍キャンプ地の国頭村へ。中田は全体練習後、特打を行い、さらに居残りで稲葉兼任コーチの徹底した打撃指導を受けて、充実の1日を終えた。

 空が暗くなりかけた頃、練習を終えて選手宿舎へ引き揚げてきた中田の目が、うれしそうにキラキラと輝いた。「大谷君に負けないように頑張らないといけない。本当にすごいらしいよ。このままじゃ、負けちゃうよ」。新聞やスポーツニュースなど、普段はほとんど目にしない中田だが、前夜は違った。たまたまスイッチを入れたテレビ画面に、大谷のフリー打撃が映った。チーム関係者や選手の間でも評判になっていたという大谷のスイングに、思わず感心した。

 自然と気合が入った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で一緒に代表候補入りしている稲葉が上げたボールを、居残りで約30分打ち込み、さらに2人で外野を歩きながら素振りを敢行。「本当にありがたい。ずっと稲葉さんを独り占めしていてぜいたくだなと思った」。明日5日からの第2クールでは、早くも実戦が始まる。「結果を出すことを頭に入れつつ、やっていきたい」。狙うのは、もちろん持ち味の特大アーチだ。【中島宙恵】