阪神ドラフト1位の藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が、けん制でうならせた。5日、沖縄・宜野座キャンプで初めてけん制練習に参加。197センチの大きな体を巧みに操り、クルリと素早く回転すると、そのままの勢いで、力強い球を投げ込む。ベースカバーに入った鳥谷はのけぞり、西岡は「速い」と声を漏らした。レギュラー野手と初のコンビネーション。わずか5球だったが、息の合った連係を見せ、けん制も非凡なセンスを発揮した。

 藤浪

 高校でもやっていたプレーで、びっくりしたということはありません。一塁けん制は何回か刺した覚えがあります。それなりにはできると思います。

 「勝てる投手」を目標に掲げ、甲子園で春夏連覇を達成した藤浪だけに、打者へ投げるだけではない。「勝つためにはけん制とか、フィールディングとかが大事になってくる」と、重要視してきた。和田監督も「非常に落ち着いている。うまい部類の選手。バタバタするところがなく二遊間やキャッチャーに合わせた。今日の動きはまったく問題ない」と高く評価した。

 この日はちょっとした騒動があった。午後のゴロ捕球練習を行っていた際に、藤浪が1人だけ練習を切り上げた。電話をかけるトレーナーに付き添われ、一足早く次のメニューに移ったため、故障発生かと報道陣は騒然となった。だが、疲労を考慮され練習量を落としただけ。手嶋トレーナーも「何もないですよ。やっぱり聞かれると思った」と苦笑いだった。一挙手一投足が注目されるスーパールーキーならではのハプニングだった。