中日高木守道監督(71)がキャンプ初噴火だ。5日、若手主体で臨んだ13年初実戦のアジアSB韓国・ハンファ戦(北谷)は9回2死から中田亮の二塁打で逆転サヨナラ勝ちを収めた。その内容が不満の監督は捕手への公開説教に加え、投打にダメ出しの連発。昨秋キャンプでやったことは何だったの?

 V奪回へカミナリで引き締めを図った。

 サヨナラの歓喜に沸く一塁ベンチで、高木監督だけが怖い顔で仁王立ちしていた。13年初陣を中田亮の逆転2点打で劇的に飾った。だが監督はナインとのハイタッチどころか、前田、田中、松井雅の捕手陣を集め公開説教を始めた。「文句を言っとったんだ!

 リードのことやないわ!」。4回までの3暴投が全部失点にからんだ。今キャンプで初めて、マグマが大噴火した。仏頂面のまま会見に現れると、報道陣にも火の粉を飛ばした。

 「この時期に何でこんな大げさなことせなあかんの?」。勝利会見ムードが気に入らなかった様子。収穫は「ない!」目立った選手は「おらん!」手ごたえは「全然ない!」。どの質問にもつっけんどんで、インタビュアーもタジタジ。それほど、イライラは頂点だった。

 昨秋のキャンプでやってきたことは何だったのか。怒りの元凶は、1軍当落線上にいる若手のアピール不足だった。「勝ったどうこうは問題じゃないんだ。内容が全然ない!

 打撃もここという時に全然変わってへん。松井佑ぐらいだ、何とか秋からの形を出してたのは」。4番平田が6回無死満塁で内野フライを上げるなど好投手が出てきた7回まで残塁の山で1得点。強く振る意識や走者を進める意図が感じられなかった。相手が格落ちした8、9回の5得点はノーカウントというわけだ。

 5失点した投手陣にも厳しかった。「辻や小熊はスタートで生き残っただけのこと。あとの投手は出遅れたということ」。この日の登板は昨年中に通達されていた。それでも見せ場なく打ち込まれた朝倉や清水、矢地、岡田…。昨秋に自ら鍛え、ポスト谷繁争いで目の色を変えているはずの捕手陣もポロポロ…。楽しみにしていた初陣で投手、捕手、野手すべてにギラつきが感じられなかった。怒りには失望感すら含まれていた。

 主力の高齢化が進み、V奪回には若手の底上げが欠かせない。「変わることを意識せん若手は生き残れんだけのことや」。緩んだ空気を自称暴走老人がカミナリで締めた。12球団最速の実戦。次は選手が答える番だ。【松井清員】